Appleの発音 青木さんに
パンづくりのこと、Appleの発音という名前のこと etc...
いろんなことを聞いてみました。

「Appleの発音」をはじめたきっかけ
九州に旅行した時、おじさんが一人で焼き物をしている工房を訪ねたのですが、そのおじさんと色々話しているうちに、自分はこれからパンを作っていきたい、という話になりました。
その時おじさんが「いずれ自分だけのパンを作っていくのであれば、このまま何年も修行を重ねるよりも、そのぶん自分だけのパンを開発して腕を磨いた方がいいよ」と言ってくれたのです。
その頃の自分はパン屋で働いてはいたものの、自分で一から考えたパンを作りたいという、何かフツフツとしたものがあり、そこへおじさんの言葉がピッタリとハマったのだと思います。それが「Appleの発音」をはじめるきっかけになりました。
「Appleの発音」というユニークな名前の由来
「Appleの発音」というのは、もともと僕が観に行った展覧会の中で、気になった絵のタイトルなのです。
その絵は「Apple」と発音しているっぽい女の子の絵でした(本当は違うかもしれませんが、僕の想像では「Apple」)。他にも色々な絵があったとは思いますが、この時はその「Appleの発音」がタイトルと絵、ともに気になったのです。しかし日々は過ぎていき、その絵のことは忘れていました。
この絵を見たのは、パン屋になろうとはまったく考えていない頃で、それから何年か経ちパン屋で働きはじめた時も、自分で店を構えた時の屋号など、これといって考えはありませんでした。
何年か働き、自分で店を構えることも考えだしたある日、じっくり思案しないうちに出てきたものが「Appleの発音」だったのです。そして屋号を「Appleの発音」に決めました。
パンづくりについて
「Appleの発音」では、ほぼ全ての生地に国産小麦を使っています。国産小麦は「内麦」、外国産の小麦は「外麦」と呼ばれ、内麦は外麦に比べて加工しにくい、焼いても膨らみが悪いと言われていたのですが、天然酵母を使って発酵させる場合、外麦に比べて香りが良く、又それにともなって焼き上がったパンの香りや味も、外麦のそれに比べて美味しいといわれています。実際僕もそれを感じ、現在は内麦を使っています。
発酵に関しては、天然酵母とイーストを半々ぐらいで用途別に使い分けています。
パンに合わせる具材について言えば、パンだから、という風には考えないようにしながら、組み合わせを考えています。その方が、どうなるか分からない未知さがあって、作る楽しみにつながるからです。
このような具合で「Appleの発音」ではパンを作っております。
パン作りの難しいところや、楽しいところ
僕の場合、パンを作る際に一番気を使うのが「温度」なんです。その日の気温や、それに合わせた仕込む為の水の温度、発酵させる時の温度etc.。温度はパンを作る過程で色々な作業に影響を与えます。発酵させる工程においては温度によって「時間」が変わってきたり。そんな微妙な温度や時間のズレから、いつも同じ作業で作る、という風にいかないところが、僕にとっては難しいところでもありますし、楽しいところでもありますね。
特に新作のパンを試作してて、味も見た目もイメージ通りに出来た時などは、も〜たまらないですね。
でも、本番でどうしても販売出来そうにないものも中にはあり、そういうパンが出来た時は凄くショックです。先日作ったパンのうちの何個かは思っていたように膨らまず、販売しませんでした。その原因の一つとして、水分量が若干(10g程度)少なかったり、というのが考えられます。そういった失敗を生かして、これからもたまらない瞬間に向かって作っていこうと思います。
Appleの発音のパンの食べ方・保存法
Appleの発音のパンは小さいものが多いので、温めたりトーストしたりというのが短い時間で済みます。
柔らかめのパン「未明のみちくさ」、「やさしくなれない事もある」、「冬が何さ!」などは10秒程度レンジで温めると、生地がフワッとして、チーズの硬さも取れて、おいしく召し上がっていただけます。
それとは別に、天然酵母を使った「月の子」、「そしたら雨が降ってきて」など、身の詰まったパンなら、1cmくらいに薄くスライスして、予熱しておいたトースターで1分とチョットだけトーストして食べていただくのがベストです。
「月の子」などはサンドイッチに最適です。購入していただいた次の日など、パンに斜めに切り込みをいれて、野菜やハムを挟んでサンドイッチにしてもいいですし、チーズを挟んで軽くトーストしてホットサンドなんかにしても楽しめますよ。まだまだ寒い日が続きそうですし、そういった食べ方もオススメです。
二日目や三日目あたりの方がおいしいといわれるパンもあるのですが、Appleの発音にはまだなく、当日もしくは次の日に食べてもらうのがイイです。
保存する場合は、三日後くらいに食べる予定、みたいな感じであれば、冷凍してもらうのが一番です。先ほど例にあげた柔らかいパンだったり、具を包んでいるパンを冷凍というのはオススメ出来ませんが、ナッツやレーズンが練り混まれていたり、プレーンなパンに関しては、1cmくらいにスライスして冷凍保存していただくといいです。そして食べる時には解凍せずに、予熱しておいたトースターへ入れて2分くらいが (僕は)食べごろではないかと思います。
以上がAppleの発音のパンのおすすめの食べ方です。僅かでも参考にしていただければ幸いです。

青木さん